実践研究の成果発表【新ひだか】
【新ひだか】静内農業高学校(佐藤裕二校長、生徒128人)は1月28日、2021年度から指定校として文部省より採択された「マイスター・ハイスクール」のまとめで、実践研究の成果発表がオンラインで行われた。
まとめは同校で開催の予定だったが、コロナ禍にあり感染拡大の観点からマイスター・ハイスクール運営委員長の大野克之町長をはじめ、出席委員とZoomによるオンラインをつなげて、生徒の発表と専門家の検証、評価が実施された。
大野町長は「JAコープでは農高の取り組みに高い評価をもらっている。また、いろいろなメディアに取り上げられていることからマイスターハイスクールが町内でも知られ、町民も注目している。今日の中間報告を基に来年についての取り組みを協議していく」とあいさつ。
食品科学科から発表。1年は「食品流通の仕組みと働き」をテーマにした国分北海道の授業で生産者や製造業、卸売業、小売業、外食産業といった食品業界の特徴を知ることができた。2年は「食品表示」「食品関連産業」「食品の安全・安心」について、どのような品質管理や製造態度が必要か理解できた。3年は「食のバリエーション」「食品関連産業の実際」について学び石屋製菓の授業から客のニーズに対する取り組み、信頼を失った時の回復の苦労などを具体的に学習。
生産科学科馬コースの2年は、日本中央競馬会日高育成牧牧場で「初期育成・日常の管理と躾」「馬の利用と調教」「競走馬の繁殖」について。日本軽種馬協会からは「馬の産業」「馬の獣医療」「馬の蹄」について学んだ。繁殖牝馬の直腸検査、蹄鉄の脱着など学校ではできない実習を経験。3年は「馬の利用と調教「競走馬のグランドワーク」など「オーストラリアの競馬産業」をテーマとして、海外の馬産業に正通している指導者の授業を受けたことが広い視点で馬産業について考えられるようになった。
生産科学科園芸コースの1年は「日高の農業を知る」「土壌の管理と改良」「農薬の特性と防除の方法」について学習。病害虫被害や防御について道立総合研究機構病部から指導され、農薬は悪いだけでなく環境に配慮した農業につながることを学んだ。2年は「GAPを活用した生産工程の管理」「地域園芸の特性と栽培技術」「新たなアグリビジネスへの取組み」日高の主力作物のミニトマト、ピーマン、デルフィニウム栽培について道農政部生産振興局からの講義で病害虫対策など、「土壌の管理と改良」では土壌断面調査を行い栽培している土壌はどんな構造になっているのか、硬度の測定や深さ、色が変化する様子を観察。3年は「農業における情報の分析と活用」「農業の起業計画」などを発表。起業計画では農家の人手不足の課題を解決するため、自動かん水、クラウドなどICTを活用した労働量の削減方法を学習。
eコマース、講演、英語(全科共通)では、ヤフーの通販サイトを通じ情報発信や販売方法。町観光協会と連携してネットショップの最終段階に入っている。インターネット活用ビジネスや輸出している商品の電子取引も学んだ。3年はセーコーマートの丸谷会長から「既成概念にとらわれないビジネスモデル」食品ロスを最小限に抑える取り組みなど。1年生の英語の授業では町の姉妹都市アメリカのケンタッキー洲レキシントン市のラフィエット高校とビデオメッセージ専用のアプリを利用。授業でメッセージのやり取りをし、コミュニケーションにより英語を学ぶ面白さや楽しさを学習。
これらの発表から、各専門分野の委員から「一年目としては大変良い環境で生徒たちは学習することができた」「地元に魅力の産業があれば、生徒たちは今よりもっと地元を愛してくれるのではないか」などの意見が交わされた。
佐藤校長は「前年度と比較すると、資格取得に対する意識と授業に関する向上心が上昇した」と述べた。
宮崎県から「馬」を学ぶため同校に入学した生産科学科馬コース3年の小嶋咲子さん(18)は「マイスター授業を通じ、海外の競馬産業なども学べてとても参考になった。4月から町内の育成牧場に就職が決まっている。ここで学んだことを仕事に活かしたい」と話していた。
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