世界遺産効果、来場者アップ 今季公開終了、北黄金貝塚と入江・高砂貝塚【伊達・洞爺湖】
本年7月にユネスコ世界遺産に登録された北海道・北東北の縄文遺跡群を構成する伊達市の北黄金貝塚と洞爺湖町の入江・高砂貝塚のガイダンス施設が11月末で今季の公開を終えた。いずれも世界遺産効果で来場者がコロナ前を上回るペースとなった。
北黄金貝塚情報センターを管理する伊達市教育委員会によると、4~11月の来場者は1万4303人。8月下旬~9月末に休館していたが、コロナ前の2019年度より25・9%増加、過去10年間で最多を記録した。特に緊急事態宣言後の10、11月だけで8638人が来場。一日当たり140人の盛況ぶりとなった。
市教委文化財係の桜井英世係長は「ボランティアのガイドも増え始めた。来シーズンはさらに来場者が増えると予想している」と期待する。同情報センターは来年4月まで休館。史跡公園は入場できるが、駐車場の除雪などは実施していない。
洞爺湖町教育委員会が管理する入江・高砂貝塚館は7月21日にリニューアルオープン。体験スペースを増築し、展示スペースは床をフラットにし、順路を設け縄文人の衣食住などを想像させる展示へと変わった。オープニングには史跡の保存整備委員会の小林達雄委員長(国学院大学名誉教授)がテープカットし、盛大に祝った。これに合わせ、高砂貝塚の整備も終了している。
緊急事態宣言中には閉館していたため、およそ3カ月間に限られたが、来場者は4547人で、8カ月間開館していた19年度の4600人に肩を並べた。町教委では「一日50人ペースで来場があり、コロナ禍が収束すると、次年度は1万人を超えるのではないか」と予想。現在、史跡の解説ボランティアを養成中で11人が参加し、解説の腕を磨いている。
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