亀田交流プラザ、施設整備に視覚障害者の声反映【函館】
函館市亀田交流プラザ(美原1)は函館視覚障害者福祉協議会(函視協、島信一朗理事長)と協働で、視覚障害者の利用を想定して、点字表記の追加や歩行誘導マットなどを整備した。当事者の声を反映させた取り組みで、誰もが利用しやすいよう配慮された「ユニバーサルデザイン(UD)環境」の施設づくりに力を入れている。
同プラザは昨年4月にオープン。当初、施設内の案内板に点字表記はなく、島理事長が施設を管轄する市教委にUD環境の整備を提言し、承諾を得た。
点字シールは、1~3階の各階や出入り口付近にある館内の案内板の文字に貼ったほか、会議室など館内全室にネームプレートにも追加した。1階入り口から受付やエレベーター付近まで歩行誘導マットを敷設した。点字表記を施した紙製のリーフレットも新たに2冊作製し、点字ユーザーの閲覧用として常備した。表示物の点訳作業は函館視覚障害者図書館のボランティア団体「きつつき点訳奉仕団」が行った。
23日には函視協が見学会を企画し、会員やガイドヘルパーら約40人が参加した。島理事長は今回の整備の概要を説明し、「皆さんと有用性、素晴らしさを共有するため見学会を開いた。ここを起点にUD環境の施設が市内全体に広まることを目指している」と述べた。参加者は誘導マット上で白杖を使いながら歩行体験したり、点字が施された表示板に触れて、整備状況を確認した。
会員で市内五稜郭町の宮武祐子さん(61)は「以前よりもさらに利用しやすい施設になったと思う。このような施設が1つでも多く増えてほしい」と話した。同プラザの中林尚子館長は「誰もが利用しやすい施設を目指している。皆さんからの貴重な意見を今後の施設運営に生かしたい」と話した。
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