伏木田さん大作55点 市民美術館、13周年展始まる
室蘭市幸町の市民美術館(工藤善蔵館長)の開館13周年記念特別展「伏木田光夫作品展-生命の色彩を求めて-」(市教育委員会、市民美術館をささえる会主催)が、6日から始まった。初日は伏木田さん(86)=札幌市在住=が出席して記念式典を行い、来館者が道内を代表する油彩画家の世界観を堪能した。
伏木田さんは浦河町出身。1962年(昭和37年)に全道展会員になり、69年に渡欧してパリの展覧会に出品。帰国後は札幌に拠点を移して積極的に個展や作品展を開催した。受賞歴は全道展協会賞、国画会国画賞、札幌市民芸術賞、北海道文化賞、文部科学大臣表彰(地域文化功労者)。
室蘭の美術界をけん引した画家の福井正治氏(1931~89年)や野本醇氏(1930~2019年)とは高校時代から交友があり、室蘭市民美術館の設立運動も支援した。
室蘭での個展は初めて。作品展には、高校時代から今年制作した新作まで、初公開の5点を含む計55点の油彩画を展示した。
伏木田さんは、来館者約30人に自ら作品を解説。「目の前にある誰でも触れるものを、生まれて初めて見るような新鮮な視線で描くようにしている」などと話していた。
室蘭文化連盟の三村美代子会長は「画家でありながら、詩人の発想も取り入れていて、お話全てがすてきでした」と感想を話していた。
記念式典では、伏木田さん、工藤館長、ささえる会の児玉智明会長らがテープカット。国枝信教育長は「これからも素晴らしい作品を市民、道民に見せてくれるのでは」と伏木田さんの活躍を期待していた。
入館無料。11月14日まで。時間は午前10時~午後5時(最終日は4時)。
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