アイヌ伝統のサケ漁再現【平取】
【平取】川に遡上する秋サケを迎えるアイヌ民族の伝統儀式「アシリチェプノミ」が2日、道の許可を受けて二風谷地区の沙流川支流オサツ沢で行われ、伝統漁具でアイヌ民族のサケ漁を再現した。町などが主催し2008年度から始まったイオル再生事業の体験交流の一環。
カムイチェプ(サケ)が遡上してきたことをカムイフチ(火の神)やワッカウシカムイ(川の神)に感謝し、豊漁を願って祈りを捧げる。
最初に「マレプ(自存銛)」と「アプ(釣針)」という伝統的な漁具を使用し、サケを捕獲して神々に感謝する儀式「アシリチェプノミ」が厳かに行われた。
この後は、参加者も出来るお待ちかねのサケ捕獲開始。漁具の説明を受け、希望者が逃げ惑うサケの素早い動きに翻弄されながら捕獲を体験した。
札幌、旭川など町内外から大人40人、子ども10人計50人が参加。歓声を上げ迫力満点の漁法を見守った。
サケを捕獲した二風谷小1年の川奈野泰志君は「楽しかった。毎年来ている。5㌔ぐらいのオスを釣り上げた。逃げようとするので、すごく引っ張られた」とニコニコ顔で話してくれた。
儀式終了後は、二風谷生活館へ会場を移動。「アシリチェプチェプカムイ(猟期の最初に獲れたサケ)は村中すべてにエイメク(おすそ分け)する」という昔の風習に倣い、サケ料理とイナキビご飯を試食し、自然の恵みに感謝した。
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