修繕された「蕙山苑」の大門

強風で倒壊

　室蘭市常盤町の「蕙山苑（けいざんえん）」の大門が修繕された。今年２月に強風が原因で倒れたためで、９月末に修復を終えた。３日には常盤町の町民限定でお披露目され、新しくなった大門をくぐり、庭園内を見学していた。

　「蕙山苑」は、１９０９年（明治４２年）１０月２２日に、栗林五朔氏（栗林商会の栗林和徳代表取締役社長の曽祖父）が建立した。

　当時は室蘭港の整備などで、政財界の要人が次々と来蘭していた時期だったといい、要人を手厚くもてなすために、巨額の私財を投じて建てられた。

　五朔氏の出身地・新潟方面から宮大工を呼び寄せてくぎを一本も使わずに造った。五朔氏の雅号「蕙堂」にちなんで名付けられたという。

　大門の修繕は、屋根を新たに作り直し、柱やはり、扉は元々の部材をそのまま使用して行われた。

　３日のお披露目は、新型コロナウイルス対策を兼ねて常盤町民に限定。大門をはじめ、庭園が公開され、訪れた町民が見て回った。記念品として栗林商会の屋号「マルシチ」が刻印された富留屋（中央町）のどら焼きが贈られた。

　栗林社長は「常盤町のシンボルとして今後も守っていきたい」と話した。

　きょう４日は、神事を行う予定。