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日高報知新聞

アイヌ文化の復興や伝承へ【新冠】

【新冠】町内判官館森林公園で「ポロシリ生活館」の落成式が1日、開かれた。コロナ禍のため規模を縮小し、北海道アイヌ協会の大川勝理事長、新冠アイヌ協会の芦沢俊一副会長、鳴海修司町長ら約30人が出席し完成を祝った。

 新冠アイヌ協会は、1946年(昭和21年)3月北海道アイヌ協会新冠支部として設立され、61年(昭和36年)に北海道ウタリ協会新冠支部に、14年(平成26年)に現在の名称に変更。アイヌ文化の復興や伝承を図るとともに、これまで事務所が所在する町民福祉会館や生活館を活動の拠点とし、アイヌ民族の伝統儀礼や舞踊の稽古などを発信してきた。

 今回、国のアイヌ政策推進交付金2億3602万1千円、町債5420万円、町費525万4240円をもって、町アイヌ施策推進地域計画により20年(令和2年)から着工し、22年9月1日に完成した。

 建物は、アイヌ伝統民家の「チセ」をモチーフとし、イチャルパの行われる神聖で象徴的な場の囲炉裏の間を表現している。ほかラウンジ、和室、調理室、アイヌ民族の文化に関する展示コーナー、廊下にはアイヌ文化にまつわる判官館の自然の写真を展示している。

 落成式でテープカットの後、式辞で鳴海町長は「新冠町の文化の新たな拠点施設として、多目的交流施設の完成に至った。この施設はアイヌの伝統民家をモチーフとしたものになっており、18日に開催されるイチャルパをスタートに、各種交流や学習の場、アイヌ文化の伝承の場、町民の文化交流の場として務めます」とあいさつ。

 来賓祝辞は、町議会の荒木正光議長、大川理事長、町アイヌ協会の渕瀬清会長の代読で芦沢副会長が「こんなに立派な生活館を建設していただきお礼を申し上げる。万世生活館がなくなってから、新たな生活館を願っていた。感謝している」と祝辞を述べた。 

 最後に生活館の施行工事、設計業務に携わった栗山建設の栗山哲弘代表、名須川工業の名須川英昭代表、ケイセイマサキ建設の正木健太社長、アトリエアクの柳谷宰(やなぎたに・おさむ)社長、アサヒコンサルタントの川又敏英代表の各事業所に鳴海町長から感謝状が送られた。

 芦沢副会長は「新しい生活館を元々陳情していたが、なかなか実現に至らなく、ここで実現されたことは大変うれしい。一方で、会員が減少し現在41人中若い人が2人しかおらず、これからどう文化を伝承していくかが今の悩み。町民も足を運んでくれるような施設なので、会員一同頑張って伝承活動を続けて理解を得て行きたい。今後、18日にイチャルパを執り行うが、もっと若い人を呼び込み育てていきたい」と話した。

落成式のテープカットをする右から芦沢副会長、荒木議長、鳴海町長、大川理事長、栗山代表

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