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函館新聞

函館の学徒出陣の実相に迫る 空襲を記録する会・浅利代表が論集発行【函館】

函館地域の学徒出陣の様子を一冊にまとめた浅利代表

 函館空襲を記録する会の浅利政俊代表(93)=七飯町在住=は太平洋戦争中の学徒出陣に関する記録を「函館地方における第二次世界大戦下に実施された学徒出陣に関係する研究」としてまとめた。学徒出陣に関わる新聞記事を中心に調べ、当時の世相や社会状況、戦後の経験者の証言などを交えて道南における実相に迫った。

 1943(昭和18)年10月、文系の学生に対する臨時徴兵検査の実施が決まり、函館では旧函館区公会堂を会場に行われた。同11月29日には函館駅前で函館市主催の壮行会が開かれている。浅利さんは「募集という形を取ることで苦しい訓練や死に至らしめるにしても『応募してきたから』と言うことができる。非常に悔しいし、若く将来のある学生を無残に殺してしまったことをはっきりと今も認識していないのではないか」と指摘する。

 大学や旧制高等学校の学生ばかりではなく、旧制中学校などでも「愛国心」をあおって若者を戦場へと駆り立てる状況があった。浅利さんが編集委員長として関わった大野農業高の同窓会55年史「鹿島ケ丘の歳時記」(98年)に掲載された元道議の長岡寅雄氏の証言を引用。大野農業学校(当時)の配属将校に「諸君、国家存亡の時。お国のために志願すべき」と言われて海軍の飛行予科練習生(予科練)へと進み、特攻隊要員として終戦を迎えた。

 45(同20)年に同校に入学した浅利さんも配属将校らの指導で銃剣を手にして軍事教練に臨んだ記憶があるという。函館工業高出身者の記念誌にも配属将校が「軍隊にいかなければ国賊」といい、生徒に海軍の機関候補生受験を求めたという証言を見つけた。生徒を教育現場から戦場へと送ることがシステム化していた様子が読み取れる。

 このほか、元中学校教諭の阿部哲也さんが函館市内の中学校で実践した道南の実例を教材とした学徒出陣や特攻兵に関わる授業の状況をまとめ、生徒の感想も掲載した。浅利さんは「戦争では特攻兵ばかりではなく、多くの人が死んだことを忘れてはならない。自分の問題として考えるべき」と話している。

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