函館市議会第４回定例会は１２日も一般質問を続行し、５人が登壇した。市は市内への企業の進出実績が今年度１３社（今月１日現在）に上り、２０２３年度実績（１３社）を上回る可能性があると明らかにした。首都圏からのアクセスが良好なことから、ＩＴ関連企業の進出が顕著で、今年度１３社のうち９社と約６割を占めている。

　野沢友志氏（民主・市民ネット）の質問に、気田聖大経済部長が答えた。

　市によると、企業誘致の状況は２０年度が３社、２１年度が５社、２２年度が６社、２３年度が１３社、今年度が既に１３社で、アクセスの良さに加え、首都圏に比べＩＴ人材確保の競合が少なく、公立はこだて未来大や函館高専との連携可能性が背景にあると分析。

　１１月には、名古屋市であった名城大出身社長で構成する「名城社長会」で、大泉潤市長が初のトップセールスを行い、出席した社長７０人に対し函館の紹介をはじめ、企業進出での立地条件や支援制度、観光、ふるさと納税についてＰＲをした。気田部長は「会の席上、数社から進出を検討する旨の意向をもらった」と述べた。

　気田部長は「企業との縁やつながりを大切にし、セールスに取り組む」とした上で「進出する企業形態が多様になっており、動向や誘致可能性の分野、業種、企業誘致に向けた方策など、さまざまな情報の収集、分析、検討を行い、新たな企業の進出につなげたい」とも述べた。

　また、市は今年度から実施している公立はこだて未来大の入学料と授業料の無償化に関し、今年度免除を受けた学部生は入学料が２７人、前期授業料は７５人だったと明らかにした。

　紺谷克孝氏（共産党）の質問に阿部慶太企画部長が答えた。同大の入学料は２２万６０００円で、今年度の減免額は５４２万３８００円。前期授業料は２６万７９００円で、同期減免額は１８１２万７９００円。

　全国の大学で授業料の値上げの動きが相次ぐ中、阿部部長は「経費節減や事業などのスクラップアンドビルドで財務運営を見直し、現時点で必要性はないと判断したと聞いている」と述べた。