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函館新聞

弥生水田稲作文化、道南への影響探る 北斗の遺跡で発掘調査【北斗】

下添山遺跡で発掘する学生を見守る上條教授(左)

 【北斗】先史時代の水田稲作文化の影響が道南にも及んでいたことを明らかにしようと、弘前大の上條信彦教授らが29日まで下添山遺跡(北斗市常盤)で発掘調査を行っている。続縄文時代前期(約2200年前)に当たるとされる同遺跡からは当時の交易をうかがわせる石器などが出土し、上條教授は「本州が弥生文化に移った後も、津軽海峡を挟んだ密接な交流が続いていたことが明らかになりつつある」と話す。

 今回の調査は弘前大、北大、東大などが共同で取り組む「北限の水稲農耕文化は海峡を越えたか 水稲農耕文化の拡散過程の研究」の一環。弥生時代前期に津軽平野の砂沢遺跡(弘前市)まで達した水稲農耕は、その後の寒冷化で後退したとされるが、上條教授はその影響が道南に及んでいたとみて、稲作が試みられた形跡があるとすれば、当時海沿いに位置し、低湿地に隣接していた同遺跡ではないかと狙いを定めた。

 上條教授と大学生・大学院生合わせて15人が参加し、七飯町の大中山3・大中山13遺跡でも2~13日に発掘を行った。18日から調査を始めた下添山遺跡では、試掘坑14カ所で発掘している。恵山文化の土器、黒曜石の矢尻や、緑色岩で製作された磨製石器、それらの半製品などが大量に出土し、建物跡も多数検出した。上條教授は「(貝や魚の骨など)漁労の形跡がほとんど見つからない一方、遠隔地の石から作った石器が多い。海を介して多くの人が出入りした広域交流の拠点だったのではないか」とみている。

 土に含まれるプラントオパール(イネ科植物の葉に多いケイ酸の結晶)や花粉の微化石などを調べ、近くにイネが植えられていた形跡などがないか調べる。上條教授は「来年以降も調査を継続し、稲作農耕民と続縄文文化の交流の深まりと変化を突き止めたい」としている。12月にも北斗市郷土資料館で地元向けの成果発表会を開く予定。

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