放水訓練を行う消防車

　函館どつく（弁天町、服部誠社長）は１９日、同社敷地内での船舶火災を想定した消火救難総合訓練を実施した。訓練には社員約７０人、消防と海保から４３人が参加し、緊急時の対応を確認した。

　消防と同社は毎年、工場での火災や地震を想定した小規模の訓練を行っているが、大型船舶での火災を想定した訓練は行っておらず、各機関と連携し大型船舶での的確な人命救助や消火活動への理解を深めようと実施した。

　訓練は、同社敷地内の岸壁で建造中の大型船舶から出火し負傷者が多数出ているとの想定。はしご車や高所の消火活動に使用される空中作業車、海保の巡視船が放水訓練を行った。また船内に取り残された負傷者を救助する訓練では、歩行困難な負傷者を担架に乗せ、甲板から地上までロープを使用して救出に当たった。

　函館北消防署の長野靖司副署長は訓練後の講話で「工場では作業中に発生する火花やショートが出火原因となる場合が多い。火花は見慣れていると思うが危険性を改めて認知し、訓練での経験を今後に生かしてほしい」と述べた。