釧路市や港湾関係者などでつくる釧路管内沿岸排出油等防除協議会（事務局・釧路海上保安部）は１９日、釧路港東区で流出油の防除訓練を行った。

　釧路市総合防災訓練の一環として行われ、同港東区にある石油取扱事業者などから約４０人が参加した。訓練は毎年、同港東区と西港区で交互に行われており、流出油は原因者が回収するのが基本であることから、昨年からは事業者が主体となって取り組んでいる。

　訓練は、大規模地震により荷役作業中のタンカーの送油管がはずれ、海上に大量の油が流出したという想定で行われた。２隻の作業船が海面の油を囲うように約２２０㍍のオイルフェンスを展開し、アンカーで位置を固定した。岸壁では油の回収区画を設け、ブルーシートの上に油をすくうひしゃくや吸着マットを準備した。

　訓練の指揮は、石油基地の管理業務を担う新太平洋商事の大島裕之業務部長が執った。大島部長は「リールから引き出す際にフェンスが絡まるトラブルがあったが、時間内に対処できた。事故なく操業することに努めつつ、有事の際にはスムーズに対応できるようにしたい」。釧路海保警備救難課の今野和美専門官は「事故が起きた時すぐに対処できるよう、引き続き訓練を重ねたい」と話していた。

訓練でオイルフェンスを展開する作業船