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函館新聞

新嘗祭に献穀「ふっくりんこ」収穫 知内の南茂敏さん、水田で抜穂祭【知内】

たわわに実った「ふっくりんこ」の稲穂を刈り取る南さん(右)ら

 【知内】11月に行われる宮中行事「新嘗祭(にいなめさい)」に納めるコメを収穫する「抜穂祭(ぬいぼさい)」が12日、町重内の南茂敏さん(54)の水田で開かれた。関係者約30人が見守る中、南さんらが「ふっくりんこ」の稲穂を刈り取り、豊穣の秋を祝った。

 新嘗祭は天皇陛下が全国各地から集められた新穀を神前に供え、その年の収穫に感謝する儀式で11月23日に行われる。南さんは知内町稲作振興会会長や函館育ちふっくりんこ蔵部(くらぶ)部会長などを務め、今年の道内を代表する献穀者の一人に選ばれた。道南からの献穀は2018年の今金町以来で知内では初めて。

 抜穂祭はふっくりんこを作付けした水田前に祭壇を設け、有川大神宮(北斗市)の種田真澄禰宜(ねぎ)が神事を務めた。南さんや西山和夫町長、JA新はこだての横道重人代表理事組合長ら関係者5人が鎌を持ち、丁寧に稲穂を刈り取った。

 南さんは今月10日から稲刈りを始め、今年は昨年ほどの暑さもなく順調に生育し、シラタ(白未熟粒)も少なく、収量が期待できるという。南さんは「最後の愛情を込めて収穫し、知内町を代表して一生に一回の名誉であることを胸に受け止め、責任持って献穀してまいります」と述べた。

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