木陰でトンコリ演奏会 えりも ヒュッゲの森で【えりも】
【えりも】樺太アイヌの伝承楽器・トンコリ演奏会が21日、町内庶野のヒュッゲの森で開かれ、町内外からの25人がトンコリソングライター・アラヤタツロウさん(41)の演奏とトークに耳を傾けた。
アラヤさんは、2018年(平成30年)9月6日の胆振東部地震で、家族6人が厚真町で被災。その際、友人の長沼町のトンコリ工房職人から支援物資としてトンコリを授かったことで練習に励み、令和2年1月に第19回全道トンコリ大会で優勝した。
演奏は、奏者が木陰に寄りそい、トンコリの音色が濃緑の森に吸い込まれそうなムードで始まり、聴衆は弦の響きにしばし酔いしれた。
アラヤさんは「世界平和と幸せに生きる道、自然環境保護などをテーマに楽曲製作を続けている。これから道内179市町村の演奏の旅を続ける」と述べた。えりも演奏会は、浦河町の知人の紹介とヒュッゲの森(中岡俊子代表)の会場提供で実現。道内で2カ所目の演奏会。
アラヤさんは、地震で停電の夜、見上げた星空の美しさを表現した「宇宙」を熱唱。「この地球上、世界のどこかで戦争という殺し合いの悲しいことが起こっているが、もう止めて大地を敬い感謝しよう」と語りかけた。
フィナーレの「これでいいんだ!」で大きな拍手が深い森に吸い込まれた。観賞した山科静子さんは「そよ風と木漏れ日の下で、初めて聞いたトンコリの音色が心に残りました」と話した。
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