返礼品はハルニレと記念撮影 寄付10~11万円向け 【豊頃】
豊頃町は、ふるさと納税の返礼品として、町のシンボル・ハルニレの木での記念撮影プランを新たに加えた。ハルニレの木を撮り続ける町出身の写真愛好家浦島久さん(帯広市)が、寄付者とハルニレの木のベストショットを収める。モノではない体験型の返礼品は同町にとって初となる。
同町のふるさと納税は、2020年の1万521件・約7805万円をピークに減少傾向にあり、23年度は2489件・約3229万円にとどまった。町によると、町内の返礼品事業者の減少や制度改正が主な要因という。
こうした状況を打開するため、観光客やカメラマンに人気のスポットであるハルニレの木に着目した。十勝川河川敷にたたずむ樹齢150年のハルニレの木は、1986年に町文化財に指定されている。
浦島さんは、写真家の父甲一さん(故人)の影響で2009年から風景写真を撮り始めた。年間約250日、ハルニレの木を撮影し、これまで撮った写真は30万枚を超える。町大津海岸に打ち上がる氷塊「ジュエリーアイス」の名付け親でもあり、16年から町観光大使も務める。今回は町の意向に対して、「豊頃町に喜んでもらえるなら」と快諾した。
記念撮影プランは寄付額10万~11万円への返礼品で、壁掛けフォトフレーム一つとDVD-R格納デジタルフォトデータ1枚、浦島さんのハルニレの写真集などのセット。撮影した写真はしまい込むことなく、生活の一部として飾ることで幸せを感じてほしいとの思いから、フォトフレームとした。
「ハルニレは幸せの木。一緒に写真を撮ることで幸せになってくれたらうれしい」と浦島さん。町のふるさと納税業務を受託する一般社団法人ココロコは「結婚記念や成人記念はじめ、大切なご家族の節目に樹齢150年のハルニレの木を舞台に、これまでの人生と今をフレームに収めます」とPRしている。
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