再整備されたグラウンドで生徒の投球を見守る吉田さん（右）

　【森】森高校（佐紺摂子校長、生徒７３人）の長年利用されていなかった野球グラウンドが、建設業のツバメ工業（八雲町、見崎久資社長）の尽力で再整備された。現在は授業や野球体験会で利用されている。同校で野球部の復活と将来の甲子園出場を目指す、地元出身で元プロ野球選手の地域おこし協力隊、吉田雄人さん（２９）は「とても良いコンディションになった」と語り、悲願に向けて一歩を踏み出した。

　同校野球部は２０１７年に休部、２１年に廃部。その前から別の場所で練習していたため校内のグラウンドは１０年以上利用されておらず、ネットには木がからみ、内野は雑草やササが生い茂るなど荒れ放題になっていた。今回の再整備ではのべ３０人以上のスタッフを投入、９日と１０日にグラウンド表土を削り、１１、１２日に黒土３００立方メートル以上を投入、練習や試合ができる環境を整えた。

　１９日に同社の小泉貢総務部長が同校を訪れ、佐紺校長から感謝状を手渡された。小泉部長は「昨年の陸上グラウンド整備に続き、地域貢献活動として引き受けた。森町の野球の発展につなげていけたら」と話している。同日には吉田さんが野球グラウンドで野球体験会を開き、生徒たちがキャッチボールやバッティングを楽しんだ。吉田さんは「いい土を入れてもらい、とてもうれしい。これで夢への第一歩に弾みがついた」と期待を込めた。