洞爺湖の写真家・野呂さん、NY公募展で最優秀賞 7月、マンハッタン2カ所で展覧会【洞爺湖】
「北海道の魅力伝えたい」
洞爺湖町職員で写真家として道内外で活躍する、野呂圭一さん(52)の作品「自然の囁(ささや)き(Whispers of the Wild)」(5枚組み)が米ニューヨーク公募アートインキュベーションで最優秀賞に輝き、今月ニューヨーク・マンハッタンの2カ所の展覧会で披露される。世界の中心での展示に「北海道の魅力を伝えたい」と意気込んでいる。
公募展は、ニューヨーク(NY)を拠点に活動するキュレーターで日本文化紹介の第一人者、佐藤恭子さんと、数々のバラエティー番組など日本のテレビ界をけん引する放送作家・安達元一さんらが企画。世界で活躍する作家をゲスト展示し、刺激を与え合う展覧会だ。
インターネットで公募展を知った野呂さん。2022年~24年で主に洞爺湖町内で撮影した「ネイチャーだけどアートに仕上げた」という作品「流光」「薄ら日」「氷露」「野趣」「雪蜜」の5枚組み「自然の囁き」を出品。「日本人特有の哀愁や感傷に目を傾けて『自然から小さな囁き』を聞きながら表現する」をテーマにした。
展覧会はマンハッタンの会場2カ所で7月16~22日、同18~24日に行われる。自身も渡米し現地で関係者の前で作品のプレゼンテーションを行う。「NYは世界のアートの中心地。決してひるまず、積極的に自分の作品を見てもらえるように努めたい」と意気込む。
40代半ばに洞爺湖温泉観光協会への出向などを契機に本格的にカメラを手にし、写真や映像の魅力に引き込まれた。強い制作意欲と独学で技術を磨き世界への扉をこじ開けた。
地元では野呂さんを「世界に送り出す会」も立ち上がるなど盛り上がりも見せる。野呂さんはそれら支援の輪に感謝しながら「ここがゴールじゃなくスタート。このチャンスをしっかりと生かしたい。勝負してきたい」と気を引き締める。その上で「北海道の魅力を世界に伝えてきます。NYで肌で感じた経験を地元の子どもたちに伝えたいですね」と笑顔を見せる。
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