佐々木刀匠（右）の作業を見学するノックスビル市訪問団ら

　室蘭市と国際姉妹都市提携を結ぶ米国テネシー州ノックスビル市の訪問団計２５人は５日、茶津町の日本製鋼所Ｍ＆Ｅ室蘭製作所・瑞泉鍛刀所を訪れた。一行は、日本刀作りの道具や制作工程などの伝統文化に触れた。

　訪問団はインディア・キンキャノン市長や地元のシダーブラフ中学校の生徒ら。

　瑞泉鍛刀所では、担当者が隣接する資料館内で日本刀の歴史のほか、原料となる玉鋼や刀を焼き入れした際に浮かび上がる刃文、研ぎなどの制作工程を紹介。一行は、焼き入れ前の刃がついていないセン仕上げの日本刀を手に、重さ（約１キロ）を確認していた。

　作業場では５代目当主の佐々木胤成刀匠がペーパーナイフを回転砥石（といし）で研ぐ工程を見学。訪問団は説明に耳を傾けながら「完成までの期間は」「どのように制作しているのか」などと質問していた。

　ジョナサン・セレーナさん（１４）は「歴史ある場所で刀が作られていることに感銘を受けた」と声を弾ませた。日本刀を初めて見たというモーガン・ジョーンズさん（２２）は「すごく感動した。長い時間をかけて一つのものを作り上げることが印象に残った」と話した。

　両市は１９９１年１月に姉妹都市締結。相互訪問を通じ交流を深めている。この日はそのほか、ノックスビルの会主催の歓迎会が行われた。

焼き入れ前の日本刀を手に笑顔を見せるノックスビル市訪問団ら