クマの侵入防止策として金属製の扉が取り付けられた哺育舎（なかしゅんべつ未来牧場提供）

　【別海】町中春別のなかしゅんべつ未来牧場が運営する「共和育成センター」で、このほど哺育舎に金属製の扉を設けた。５月２１日に乳牛の子牛８頭がクマに襲われたとみられる施設。敷地内には監視カメラや箱わなも設置され、今月中に電気柵導入も予定するなど、クマの侵入防止策や監視体制を強化していく方針で、１日から預託牛の受け入れを再開した。

　金属製の扉は生後間もない子牛を飼育する哺育舎（１棟）の表と裏の出入り口にそれぞれ設けた。高さ２㍍、幅４・６㍍の扉二つが観音開きとなる構造。クマがよじ登れない形状にもなっている。作業は５月２８日に行われ、約１２０万円の費用をかけた。

　同牧場によると、現在までに監視カメラにはクマらしき姿は確認されておらず、これまで哺育舎に取り付けていたカメラと、そばにあった箱わなを同３０日に２７０㍍移動させて放牧地入り口に設置した。今後は巡回も強化していく。

　また、作業は複数人で行うことを徹底し、熊よけのスプレーや鈴を携帯するなど職員の安全対策にも力を入れている。同牧場の友貞義照専務は「細心の注意を払って、牛と職員を守っていきたい」と力を込める。