「函館タータン」街の象徴に 協会発足、オリジナルのチェック柄作成【函館】
スコットランド発祥のチェック柄・タータンを通じ、函館を象徴する新たなデザインを発信しようと、「函館タータン協会」(会員12人、岡田暁会長)が発足した。柄にはレンガ倉庫の「赤」や津軽海峡の「青」など函館をイメージした色を用い、デザイン案を作成。現地スコットランドタータン協会への正式登録を目指すとともに「函館タータン」の周知を図る。
日本国内では神戸市で、街のブランドイメージとして「神戸タータン」が開発され、ファッションや生活雑貨など地元企業がさまざまな商品を展開。長崎市では歴史的につながりの深いスコットランドのラグビー協会からタータンが贈られ、地域活性化やにぎわい創出のツールとして活用されている。
市内でグラフィックデザイナーとして活動する岡田さん(50)は、両都市や函館、横浜、新潟のまちづくりに関わる官民関係者が集う2019年の「開港5都市景観まちづくり会議」に参加。そこで「神戸タータン」を知り、5都市共通の取り組みとして推進し、函館のブランドイメージの構築にもつなげようと企画を構想。今年4月に任意団体として協会を設立した。
柄は金森赤レンガ倉庫や函館市電の「箱館ハイカラ號」の「赤」がベース。このほか、海の「青」、道南の雪をイメージした「白」、イカ墨に由来し、ノスタルジックな印象の「セピア」の3色を使い、岡田さんが神戸、長崎のタータンの柄を分析しデザイン案を作成。同協会は景観保全やまちづくりに取り組む市民団体で組織する「函館景観まちづくり協議会」への加入を予定しており、23日の協議会総会で投票を行い、デザイン案を絞り込む。
協会ではタータンを用いたグッズを製作し、発信する一般会員(会費無料)、グッズを販売する特別会員(年会費2万円)を募集。デザインは決定後、バッジやボールペンへの活用、将来的にはネクタイやマフラーなど布製品への展開も視野に入れる。岡田さんは「市民の心に浸透し『函館といえば』といわれる柄を目指したい。市民の仲間意識の醸成にもつながれば」と期待を込める。
協会への問い合わせは(tartan@bloom-a.jp)にメールする。
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