最後の土方コンテスト 東京の平野さんが優勝【函館】
戊辰戦争の舞台となった五稜郭の歴史を後世に伝える「第55回箱館五稜郭祭」(協賛会主催)が18日、開幕した。初日は箱館戦争で命を落とした志士たちをしのぶ碑前祭が市内4カ所で行われたほか、今年で最後の開催となる「第37回土方歳三コンテスト」が五稜郭公園内特設ステージで開かれ、平野峰義さん(40)=東京=が優勝し最後の土方歳三となった。
土方歳三コンテストは、例年の五稜郭タワーアトリウムから五稜郭公園内の箱館奉行所そばに設営された特設ステージに舞台を移して開催した。20代から40代の男性5人、女性6人が出場。このうち市内からの参加は4人で、埼玉県や愛知県、土方ゆかりの地である東京都日野市など全国各地から参加者が集った。
今年実行委が指定したシナリオは1868年5月11日、新政府軍による箱館総攻撃が行われ、土方が銃弾に倒れたとされる一本木関門が舞台。出場者は自身で考えた新政府軍と刀で切り合う戦闘シーンや、銃撃を受けて倒れるシーンを熱演した。最後には第9回大会で優勝した南部光昭さん(61)と第29回大会を制した杉田晴信さん(36)がそれぞれ特別演技を行い、圧巻のパフォーマンスを披露した。
優勝した平野さんは剣術などの武芸が特技と話し、圧倒的な強さと強者の余裕をテーマにステージに上がった。不敵な笑みで豪快な殺陣を披露し、新政府軍の兵士に化け物と呼ばれたシーンでは「我は鬼、壬生(みぶ)のオオカミだ」と新選組の異名を叫び、観客や審査員を魅了した。今年で3大会連続の出場で悲願の優勝をつかみ取り「夢のような気持ち。土方のように果敢に先頭に立ち、道しるべになれるような人になりたい」と喜びを語った。
五稜郭祭の佐久間真悟実行委員長は「皆さんの土方とコンテストに対する愛が感じられて目頭が熱くなった。来年以降別の形にはなるが、引き続き祭りを盛り上げていきたい」と大会を締めくくった。
準優勝には愛知県の尾関宏治さん(39)、3位の五稜郭祭賞には函館市の松宮亮さん(26)が選ばれた。参加者は19日に実施する維新行列パレードにも参加する。
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