室蘭発、水素社会へ一歩 水電解装置が稼働/フォーラムも複数【室蘭】
月末から環境省モデル事業
室蘭市内で行われている、既存インフラを活用した水素供給の低コスト化を目指す環境省のモデル構築実証事業が、今月末から本格化する。室蘭民報みんなの水族館(祝津町)横に設けている水電解装置が本格的に運用される計画で、今後祝津風力発電所で発電した電気で水素を製造するスケジュール。本格稼働を前に、今月下旬に事業者や市民向けのフォーラムを複数開催し、クリーンエネルギーを身近に感じてもらうことにしている。
実証事業は室蘭ガス(室蘭市日の出町、末長守人代表取締役社長)を代表事業者としており、市と室蘭テクノセンター、室蘭工業大学、産学連携機構九州、大成建設、エア・ウォーター北海道、北弘電社が連携。2022~25年度の期間、地域の脱炭素化に向けて、既存のガス配送網を活用したコスト削減や副生酸素の有効活用などを進めている。
今月末から水電解装置が本格稼働することに合わせて、エネルギーの有効活用を考える「むろらん水素エネルギーフォーラム」が相次いで行われる。実証事業に取り組んでいる各社・団体の主催。
24日午後1時から、輪西町のわにホール市民会館で開催する。2部構成。1部は実証事業の紹介が行われるほか、本格稼働をテープカットで祝う。2部は講演会。環境省地球温暖化対策事業室長の塚田源一郎氏が基調講演する。室蘭工業大学希土類材料研究センター副センター長の亀川厚則氏と日本製鋼所M&E室蘭製作所ES機器部機器グループグループマネジャーの荒島裕信氏、エア・ウォーター執行役員グリーンイノベーションユニット長の末長純也氏も講演する。
25日午後1時からは、DENZAI環境科学館(本町)で開催する。水を電気分解して発電する仕組みを紹介する模型や水素吸蔵合金、水素タンクなどを展示する。水素を動力としたロケットの体験コーナーを用意する。先着100人に記念品をプレゼントする。屋外では、水素で走行する燃料電池自動車(FCV)などを展示する。
現地見学ツアーは午後2時から。道の駅カナスチールみたら室蘭(祝津町)など実証事業で水素を活用している4カ所を巡る。予約制。30人を超えた場合は抽選となる。
問い合わせは市産業振興課、0143・25局2704番へ。
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