タグボートに押されながら接岸する客船ウエステルダム＝２９日午前７時２０分、室蘭港祝津ふ頭

　オランダ船籍のウエステルダム（８万２５００トン）が２９日、室蘭港に入港した。乗客たちは登別や洞爺湖など西胆振観光を楽しんだ後、釧路港へ向け出航した。クルーズ船の入港は今季初。

　同船は２０１９年以来２回目の入港。２７日に乗員乗客約２８００人を乗せて横浜港を出港。室蘭港祝津ふ頭には２９日午前７時５０分ごろに接岸した。米ワシントン州シアトルに向かう途中での寄港した。

　岸壁では市民団体「室蘭港を愛する会」の会員ら約５０人が国際信号旗を振り出迎え。市観光課や市民観光ボランティアガイド協議会が観光案内ブースを設置し、市内地図を手に案内した。室蘭の市民団体「おもてなしむろらん」は折り鶴を手渡し歓迎。室蘭海星学院高校の生徒が習字体験コーナーで乗客をもてなした。

　下船した乗客らは登別や洞爺湖行きのツアーバスでお目当ての観光スポットへ。米イリノイ州シカゴから訪れたレナタ・ハーニックさん（６９）は「忍者ショーは見たことがないから楽しみ」と登別伊達時代村（中登別町）へ向かった。

　この日午後５時の出港前には、室蘭のよさこいチームＡＪＧ　ＫＩＤＳ（エジェック・キッズ）がよさこい演舞を披露。メンバーや市民ら約１００人が見送ると、船上デッキの乗客たちが手を振り応えていた。同船は釧路に向け室蘭港を後にした。

　本年度は１０月までに７隻が寄港予定。５月のロイヤル・プリンセスと８月のナショナル・ジオグラフィック・レゾリューションの２隻が初入港する。