【網走】クジラやイルカ、海鳥など、多彩で豊かなオホーツクの生態系を体感できる「あばしりネイチャークルーズ」の今シーズン運航が始まった。運航前には、網走海保による同クルーズに使われる小型観光船「チパシリ」の安全指導も行われ、万全の体制で今季の営業に臨んでいる。
同船は、ミンククジラやイシイルカ、ミズナギドリなどが生息する網走沖を航行する小型観光船。例年、4月はミンククジラに90%以上の確率で遭遇できるほか、5月はミンククジラやミズナギドリなど、さらに6月以降はイルカにも遭遇する確率が高まることから、人気のクルーズとなっている。
特に、近年は海水温が変化していることもあり、ナガスクジラなど大型のクジラも見られることが多いという。
中でも、乗船客に評判なのがハシボソミズナギドリ。4―6万羽が群れて海面が真っ黒に染まる光景が人気という。
同船は今季から、これまでの前田漁業部に替わり、NPO法人「北の海の動物センター」が主体となって運航。安全指導は、同船が接岸する道の駅流氷街道網走裏の岸壁で行われた。
同法人の関係者が見守る中、網走海保の職員3人が同船に乗り込み、救命胴衣がすぐに取り出せるようになっているか、エンジンルームの排気管に物が乗っていないかなどを確認。安全対策に問題は見られなかった。
今年から船長を務める生田駿さんは、安全指導を終え「まずは一安心だが、常に点検を怠らず、安全第一で運航していきたい」と話していた。
また、生田さんは海洋哺乳類の生態調査なども手がけていることから「オホーツクの保全なども考えられるクルーズにしていきたい」と、意気込んでいた。
「あばしりネイチャークルーズ」の運航は、10月31日まで。午前9時と午後1時半の2回、運航するが、土日と祝日、7月20日から8月31日までを除いた日は午前便のみの運航になる。1便の所要時間は、2時間半から3時間。
料金は中学生以上8800円、小学生4400円。利用する前日の正午までに予約が必要となっている。
詳しくは網走市観光協会(☎0152―44―5849)へ。
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