テープカットで開所を祝う左から大鷹日高町長、牛場環境事務所長、大野新ひだか町長、髙見日高振興局長

【新ひだか】環境省・新ひだか自然保護官事務所の開所式が８日、静内本町５の町観光情報センター「ぽっぽ」で開かれた。

　国立公園の管理運営や希少野生動物について現地の管理体制を強化し、地域に密着した業務を実施することを目的に開設した。管轄区域は日高管内７町。主に、日高山脈襟裳国定公園と周辺を含めた地域について、国立公園の指定に向けた自然環境の把握、地域関係者との調整や指定後の国立公園の管理運営、管轄区域におけるシマフクロウ、タンチョウなど希少野生動物の保護増殖などに関する業務を行う。

　開所式には、牛場雅己北海道地方環境事務所長、大野克之新ひだか町長、鳴海修司新冠町長、大鷹千秋日高町長、髙見芳彦日高振興局長、福嶋尚人新ひだか町議会議長、日高北部・南部森林管理署など関係者が出席し、テープカットで開所を祝った。

　主催者の牛場環境事務所長は「日高山脈襟裳国定公園及び周辺地域を含めた国立公園化については本年夏頃の指定に向けて作業を進めているところ。公園候補地は原生林や自然環境に優れ、山岳部からえりもの海岸部に至るまで広大かつ豊かな生体系を育む学術的な価値も高く、国立公園の資質を充分に備えている地域」と述べ、「新たな国立公園の指定により、質の高い自然体験の機会をつくり、国内外の利用者と価値や魅力を共有していくことは我が国や地域にとっても意義深いもの。新ひだか自然保護官事務所の開設により、特に日高地域の皆様との密接な連携を強化し、まずは国立公園の実現に向けて各種の取り組みを加速させる。指定後は、新ひだか、帯広の両自然保護官事務所が中心となり、さらにえりも自然保護官事務所が加わって、皆様と共に地域の関係者との連携の枠組みを構築し、地域が誇る、日本が誇る魅力ある国立公園に磨き上げていきたい」とあいさつ。

　大野町長は「我々日高管内に住む者として日高山脈は親しみが深く、各小中校の校歌の一節に日高山脈が入っており、身近に感じている。保護と利用というキーワードで、利用については帯広と連携しながらより深い利用につなげていきたい。外国人の皆様にも楽しんでいただき世界に発信できたらと考える。事務所を中心に、しっかりと取り組んでいきたい。事務所開設を大変うれしく思っており、指導をいただきながら世界一の国立公園にしていきたい」と祝辞。

　日高総合開発期成会長の鳴海町長は「長年にわたり早期国立公園の指定を要請してきた。平野部から日高山脈を眺望した際には延々と連なる印象的な山並みが原風景として地域住民の心のより所となり、深く意識されているほか、公園区域は我が国の最大の面積を誇るものとなる。この新ひだか町に開所された自然保護官事務所が、今後大きな役割を果たすことを期待する」と祝辞を述べた。