駐屯地通り高台へ 避難訓練、陸自隊員も参加【登別】
住民誘導、重機移動も
陸上自衛隊幌別駐屯地(登別市緑町)の敷地内を緊急避難経路として活用する津波避難訓練が26日、近隣町内会も参加して行われた。地域住民は正門から同駐屯地の避難場所となっている海抜10メートル以上の観音台へ避難し、市指定避難所の青葉小学校に続く北門の位置を確認した。
幌別駐屯地は、海岸線から約350メートルの位置にあり、住民が青葉小方面へ避難するためには同駐屯地を迂回する必要があるため、2022年2月に同駐屯地と市は大津波警報発表時に、一時的に駐屯地敷地内を徒歩で通行できる協定を締結している。
自衛隊の敷地内で行われる避難訓練に住民が参加するのは道内初。この日午前10時に襟裳岬東でマグニチュード9・0の地震が発生し、市内では震度5強の地震があり、想定される最大クラスの津波が発生したことを想定して行われた。
訓練には駐屯地職員約170人、近隣町内会約30人、市から約10人の計約210人が参加した。住民は自衛官の誘導の下、海側に位置する幹線道路沿いの正門から敷地に入り、緊急避難場所の観音台までの約1・1キロを約15分かけて避難。正規ルートである北門の位置も確認した。
自衛官も一緒に避難するとともに、最も被災地に近い自衛隊として、速やかに情報収集と住民の救援活動に従事できるよう、できる限りの装備品、救急車・消防車・重機などを観音台へ移動させた。
訓練終了後、本部庁舎で同駐屯地や市の担当者と住民が意見交換を行った。青葉地区連合町内会の垣内博会長は車両での乗り入れや4階建ての官舎の緊急避難場所としての活用を挙げ、「自衛隊の災害救助には感謝しているが、減災も一つのテーマに地域のためにできることを考えてほしい」と要望した。
同駐屯地の橋本隆之司令は「住民の方をどう避難させるか、安全を守るかは非常に大事なこと。今回の内容を次につなげていきたい」と話していた。
住民とは別に、大和町から踏切を通り観音台まで避難した小笠原春一市長は、避難完了まで40分かかったことを踏まえ「(線路横断を伴う避難について協議している)JR北海道に自ら体験したことを伝えたい。青葉地区の皆さんは災害への危機意識が高いので、これからも皆さんの行動力に期待したい」と述べた。
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