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苫小牧民報

燻製カシュー ハスカップの枝で 起業型地域おこし協力隊の山下さん 厚真

厚真町の起業型地域おこし協力隊として活動する山下裕由(ひろゆき)さん(34)は、町の特産品ハスカップの剪定(せんてい)された枝を使用していぶしたカシューナッツを開発した。町周辺の木材を活用していぶした商品を、町上厚真の「燻製(くんせい)工房Thmey(とまい)」で作っており、町内外のイベントに積極的に出店してPRしている。

ハスカップの枝などを使用したカシューナッツ作りを行う山下さん

 山下さんは小樽市出身。2022年までカンボジアのNGOに6年間所属した経験を持つ。帰国後、道内で食べた貝の燻製のおいしさに感動し、紋別市の専門店で修業した。独立を考えた時、支援体制の良さに魅力を感じて厚真町の起業型地域おこし協力隊に応募。23年4月に採用され、6月に燻製工房を開設した。店名はカンボジア語で「新しい」の意味を持つ。

 カシューナッツはカンボジアから仕入れ、燻製に使う木材には、厚真町や安平町を中心にサクラやカエデ、ナラなどの端材を活用。化学調味料や保存料は使用せず、昔ながらの加工方法で一つ一つ手作りしている。カエデは爽やかな薫香で独特の甘味があるなど、使用する木によって特徴があるという。

 ハスカップの枝は剪定後に廃棄されていると知り、「新しい物を生み出したい」との思いから町内の農園から枝をもらって商品化した。新作の味も「しっかりとした燻製感やナッツの甘味が感じられる」と話す。

 6月22、23両日には「あつま田舎まつり」会場の表町公園で先行販売し、現在はハマナスクラブ藤井商店(町表町)とハスカップカフェLABO(同)で取り扱っている。価格は40グラム入りが500円(町内料金)。

 山下さんは「厚真で多くの方にお世話になり、カシューナッツを作ることができている」と感謝し「これからも北海道らしい、新しい商品を生み出していきたい」と意気込んでいる。

 問い合わせは山下さん 携帯電話070(8977)8738。

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