プロジェクトチームを構成する職員で協力し、道南スギのベンチを製作したワークショップ

　渡島総合振興局は、管内での道産木材の利用促進を図ろうと、管内自治体や振興局の職員で「渡島『ＨＯＫＫＡＩＤＯ　ＷＯＯＤ　ＢＵＩＬＤＩＮＧ』普及プロジェクトチーム（ＰＴ）」を立ち上げた。渡島の独自事業「木づかいプロジェクト」検討委メンバーの建築、製材業などの有識者をアドバイザーに迎え、新年度は振興局１階ロビーの木質化に取り組む。

　振興局では道南スギなど地域材の利用拡大や普及やブランド化を進める「木づかいプロジェクト」に２０１５年度から取り組み、学生が木材利用を通じまちづくりデザインを学ぶ場を創出するなど事業を展開。２０年度から「みんなで拡げる木づかいプロジェクト！」を２４年度までの継続事業として実施しており、最終年度を前にこれまでの集大成として、渡島全体に取り組みを広げ、体制を強化しようと、ＰＴを発足した。

　管内自治体にＰＴ参加を呼び掛け、林務、建築部局の職員ら１３人、振興局からも林務課、東部森林室のほか、総務課、地域政策課、環境生活課、商工労働観光課、農務課、水産課から部局横断的に１４人の計２７人が参加。木づかいプロジェクト検討委員会の高田傑委員長（高田傑建築都市研究室主宰）が会長を務め、委員はアドバイザーとして関わる。

　２日に振興局でキックオフのワークショップがあり、メンバーが顔合わせ。庁舎１階の木質化は２４年度中の完了を目指し、各自治体が参考にできるよう大規模工事は行わず、低予算の事業にすることなど方針を確認。将来的な目標として道産木材を活用した建築物を道が認定する「ＨＯＫＫＡＩＤＯ　ＷＯＯＤ　ＢＵＩＬＤＩＮＧ」の登録を管内全１１市町で実現することを掲げた。このほか、木質化の事例や自治体による道産木材の利用促進に向けた取り組み紹介もあった。

　後半では道南スギを活用したベンチ製作にグループごとに取り組み、自治体や部局の垣根を越え、釘打ち、塗装といった作業を協力して進め、１３脚を製作。１１市町に各１脚、振興局に２脚を割り当て、それぞれ庁舎などで活用する。

　今後の活動では、振興局木質化の方針やコンセプト、デザインなどをワークショップ形式で検討する。ＰＴの高田会長は「地域材活用や道南での木質化推進の底上げにつながるよう、一致団結して取り組んでいく。コロナ前のように学生とも連携し進めたい」、振興局の小田崇林務課長は「取り組みを管内全体に広げ、道南木材の魅力を発信するきっかけになれば」と力を込める。

　 　■「みんなで拡げる木づかいプロジェクト！」の成果発表会が１４日午後１時半から、渡島総合振興局（函館市美原４）３階講堂で開かれる。参加無料。

　振興局と「木づかいプロジェクト検討委員会」の共催。当日は第１部で道教育大附属特別支援学校や森高校など各年度のプロジェクトの成果を発表し、これまでの取り組みを振り返る。第２部では１部の発表者らが「地域材の利用と渡島地域における可能性」と題してトークセッションする。午後５時終了予定。

　参加申し込み、問い合わせは振興局林務課（０１３８・４７・９４７１）へ。