循環型社会の実現へ 網走市とサントリーが協定 ペットボトルを水平リサイクル【網走】
【網走】市とサントリーホールディングスは7日、ペットボトルの「ボトルtoボトル」水平リサイクルの協定を締結した。4月から、市民が資源物として排出したペットボトルの一部を同社が回収し、再生ペットボトルにすることで持続可能な社会の実現を目指す。
市議会委員会室で行われた調印式では、水谷市長と同社の藤原正明常務執行役員が、それぞれ協定書に調印した。
水谷市長は「市は、二酸化炭素排出量を2050年までに実質ゼロを目指す『ゼロカーボンシティ』を宣言しており、今回の水平リサイクルで網走市をパートナーに選んでいただいたことは、大変ありがたい」と感謝するとともに「回収したペットボトルの一部ではあるが、今後はますます連携を深め、循環型社会を構築したい」と、同社との協定に期待を込めた。
これを受け、藤原常務執行役員は「弊社は水平リサイクルに加え、植物由来のペットボトル開発などで、2030年までにペットボトルの脱石油化に取り組んでおり、今回の協定は非常に大きい意味を持つ。市民の皆さんも、ぜひペットボトルの分別収集に協力してほしい」と呼びかけた。
市や同社によると、22年度のペットボトルリサイクル率は、欧米が20―40%程度なのに対し、日本は86・9%と非常に高く「リサイクルの優等生」ともいわれている。
半面、現状ではリサイクルされたペットボトルから他の製品が作られることも多く、数回のリサイクルで焼却されるものも少なくないという。そのため、ペットボトルとしてリサイクルされるのは29%程度にとどまっている。
同社は、回収したペットボトルのすべてを再生ペットボトルにすることでリサイクル率を高めようと、自治体と協働で取り組む「ボトルtoボトル」をスタート。昨年末現在、全国で100を超える自治体と協定を結んだほか、道内でも昨年2月の千歳市を皮切りに、同8月には岩内、共和、泊、神恵内の4町村と協定を締結。網走市は道内6番目の締結になる。
併せて、環境教育の一環として、小学校を対象に同社の持つ教育プログラム提供や講師派遣などを計画しているほか、市が開催する環境展などに同社と市の協働による水平リサイクルをPRするポスター、ペットボトルのリサイクル行程を示す資料を提供。より多くの市民にこの取り組みを市ってもらい、協力を得たいとしている。
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