アイヌ民族の音楽や古式舞踊、文化体験を盛り込んだアイヌ文化フェスティバル「ウタリタリ」が１１日、釧路市阿寒湖温泉地域で初めて開かれる。ネイチャーガイドツアーや対談、振る舞いオハウ（伝統食）のほか、メインイベントではミュージシャンとのコラボレーションも行うなど、盛りだくさんな内容で来場者を楽しませる。釧路市の主催。

　ウタリタリは、２０２０～２３年まで国のアイヌ政策推進交付金を活用して行っていた「ウタサ祭り」に代わる新たなイベント。アイヌ語で「仲間」という意味のウタリと、「上がる、揺れる」を意味するタリを掛け合わせており、文化体験に重きを置いた内容となっている。

　当日は、午前１０時から瀧口健吾さんによるネイチャーガイドツアー（定員１５人、事前申し込みが必要）を実施。正午からは伝承・創造施設オンネチセで、阿寒湖在住の佐々木宮子さんと北海学園大学の学生たちが、汁物料理のオハウを１００食限定で振る舞うほか、午後３時からはＮＨＫアナウンサーの村上里和さんによる朗読や対談などが行われる。阿寒湖アイヌコタンでスタンプラリーも用意されている。

　メインイベントは、阿寒湖アイヌシアター「イコロ」で同４時３０分開演。第１部は阿寒、白糠、帯広のアイヌ民族が踊りや歌を披露するほか、観客も一緒に参加できる場面も設定。第２部はアイヌ民族の伝統的な音楽と、ヒューマンビートボックスと呼ばれる人間の発声器官を使って生み出す音楽とのセッションが行われ、ラッパーのＫａｎｒｙＯさんが出演する。

　市阿寒観光振興課は「これまでのイベントに比べ、来場者がさらにアイヌ文化に触れることができる内容となっている。ぜひ会場に足を運んで、食、歌、踊りを楽しんでほしい」と来場を呼び掛けている。問い合わせはイベント事務局０１１（８８７）７２９７へ。