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釧路新聞

釧路高専、起業家工房を開設 地域課題の解決に【釧路市】

来場者が新たな設備や装置に触れたお披露目会

 釧路工業高等専門学校(大塚友彦校長)は、半導体製造設備やIoT装置などを導入したラボ「起業家工房『OtanoshikeBASE』」を校舎内に開所した。1月31日にはお披露目会が開かれ、訪れた行政関係者や市内の製造、IT関係者らが、同校とのさらなる連携強化を通じた地域課題の解決に期待を寄せた。

 同工房は、学生が地域課題を発見してアイデアを生み出し、試作品を作り、現場の声に基づいた改善を、一気通貫して体験できるものづくり工房として開所。文部科学省の「高等専門学校スタートアップ教育環境整備事業」の採択を受け、約1億円の補助金を活用して設備や装置を導入した。

 導入したのは、空間測量ができる「3Dレーザースキャナー」や物体の成分を分析できる「蛍光X線分析装置」、学生が半導体を作り出すことができる「半導体製造・測定装置」など。これらの導入で、同校が取り組む専門分野を超えた「複合融合演習」を深めるとともに、学生が自由な発想でものづくりができる場が提供された。

 この日のお披露目会には、同校の取り組みに賛同する釧路高専地域振興協力会の会員ら約40人が参加。工房内の装置や設備について説明を受けながら、実際に性能の一端を体験する場面も見られた。釧路地域DX推進協会の中島秀幸会長は「今回の工房が、地元企業と高専生をつなげるきっかけとなることを期待している」と話していた。

 大塚校長は「わが校の学生たちは地域課題の解決に挑戦しており、今回の工房はそのチャレンジを深掘りできるようになる。取り組みの中で学生自らが地元企業の魅力に気付き、地元定着にもつなげられれば」と話していた。

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