【東京、根室】日本中央競馬会（ＪＲＡ）は、今年度のＪＲＡ賞馬事文化賞に、写真家岡田敦氏（４４）＝東京在住＝の写真集「エピタフ幻の島、ユルリの光跡」が選ばれたと発表した。エピタフ―は、根室市落石沖に浮かぶ無人島「ユルリ島」の野生馬を写した写真集で、昨年６月にインプレス社から出版された。

　稚内市生まれの岡田氏は２００８年、「写真界の芥川賞」といわれる木村伊兵衛写真賞や北海道文化奨励賞を受賞するなど、ＣＭやテレビといった世界でも幅広く活動している。

　１１年からユルリ島で野生馬の撮影を開始。エピタフ（墓碑銘）は、その野生馬を約１０年間追い続けた集大成として出版された。ユルリ島は、かつてコンブ漁の漁業者が暮らしていた島で、野生馬はその名残でもある。

　岡田氏は受賞に対し「『エピタフ、墓碑銘』と名付けたこの本に刻んだユルリ島にまつわる物語が、日本の馬事文化を伝える歴史ある賞のもと、時代を超え多くの人に語り継がれてゆくことを願っています」とコメントしている。

今年度のＪＲＡ賞馬事文化賞を受賞した「エピタフ」