「これからもお客さまの声に応えていきたい」と、バイクの整備を行う久保圭司代表取締役

バイクや除雪機　販売、整備

　自転車やバイクなどを取り扱うプラザ・クボ（室蘭市中島町）が愛好者らに親しまれて創業６５周年を迎えた。３代目となる久保圭司代表取締役（４４）は、多くの方々に支えられてここまでこられたと感謝し「今後も時代やニーズに合わせて、対応していきたい」と決意を新たにしている。

　同社は１９５８年に同町で自転車屋として誕生。圭司さんの祖父伊八さん（１９９８年死去）が創業した。圭司さんの父孝さん（７４）が後を継ぎ、バイクの販売や整備を始めた。圭司さんは２０１５年、３代目として代表取締役に就任した。

　圭司さんは室蘭東高校（現室蘭東翔高）、札幌の専門学校を卒業後の１９９９年から同社で働き始めた。当時は８０年代のバイクブームが去り、「（バイクに）乗る人が少なく、業界全体が冷え込んでいた」と振り返る。そこで、大雪や自然災害など気候の変化に着目。除雪機や発電機の販売やメンテナンスを手がけることで販路を拡大した。

　店頭では現在、メインとなるバイク整備のほか、除雪機のオイル交換や点検を行う日々。降雪時には、多い時で１日１０件以上の除雪機トラブルを解決している。除雪機の販売ではメーカーの受注制限で、年間約２０台の取り扱いとなっているが、３年ほど前から完売の状態が続く。圭司さんは、来年以降の予約や問い合わせがあるなど「年々、引き合いが強くなっている」と確かな需要を実感している。

　そのほか、同社は環境に優しい電動バイクの販売店登録も済ませており「これからもお客さまの声に応えていきたい」と見据えている。

　社会貢献活動にも尽力。圭司さんはこれまで、業態が変化しながらも「地域の皆さまのおかげで根付いてこられた」と強調する。昨年、その感謝として自走式草刈機１台（２１万５千円相当）を室蘭市に寄贈。伊八さんらが中島地域の商店街の基礎を築いてきたことなどから「今後も室蘭全体や中島地区の発展にも貢献していきたい」（圭司さん）と力を込めた。

創業６５周年を迎えたプラザ・クボ