東電、紋別に相談窓口開設へ 管内水産関係者に説明 原発処理水賠償問題で
【北見】東京電力ホールディングスは、オホーツク管内の漁業関係者らを対象に、福島第一原子力発電所のALPS処理水放出に伴う損害賠償についての説明を行った。同社は今月中旬、紋別市内に相談窓口を開設し、水産業者などへの対応を強化するとしている。
オホーツクの地元説明会は「ALPS処理水関連の水産業支援等に関わる説明会」と題して、オホーツク圏活性化期成会が北見市内のホテルで開催した。
東電福島本部福島原子力補償相談室の宗方豊副室長は、処理水を巡って風評被害などが発生した場合の賠償について説明した。
農林水産省の山口潤一郎行政部長と経済産業省資源エネルギー庁の北村貴志処理水対策官が「水産業を守る」政策パッケージなど、国の水産業支援について説明した。
政策パッケージは①国内消費拡大・生産持続対策②風評被害に対する内外での対応③輸出策の転換対策④国内加工体制の強化対策⑤迅速かつ丁寧な賠償―の骨格からなり、国は総額1007億円の予算を計上しており、事業着手している。
北見での説明会には、管内の漁業組合の組合長や水産加工関連事業者のほか、市町村の首長、商工会議所らの経済団体ら約100人が出席。東電や農水省、経産省の説明を聞いた。
参加者からは「設備購入には付随する建設物が不可欠。機械購入の助成だけでは現実的ではない」「ホタテの国内流通が増えれば需要と供給のバランスが崩れて当然価格は下落する。賠償の対象になるのか」などの声が出た。
また「新しい従業員を雇っても住むところがない。自前で対応するにしても追いつかない」「JETROからブラジルの話が来たが、担当者がホタテのことを知らなすぎて破談になった」などの意見も上がったという。
東電は、中国による日本産水産物の全面輸入停止で、大きな影響を受けるホタテの産地でもある道南の長万部町で5日に相談窓口を開設した。
中旬には紋別市にも窓口を開設するほか、大阪市と福岡市には、東電社員が事業者を訪問するための拠点を設ける。10月に宮城県石巻市に相談窓口を開設している。
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