景観抜群、室蘭に来て 中国と台湾ガイド招いて初のツアー、観光実行委
パノラマ測量山、地球岬
室蘭インバウンド観光実行委員会が主催する初のモニターツアーが1日、地球岬や測量山、道の駅みたらなど市内一帯で行われた。札幌に拠点を置く中国や台湾の旅行業の関係者ら5人を招き、室蘭の自然景観や体験、食をアピールし誘客を目指した。
モニターツアーのテーマは「室蘭の大自然を満喫」。一行は測量山と地球岬周辺でバードウオッチングとトレッキングを楽しんだ。地球岬展望台からの景色も堪能。昼食はカレーラーメンや室蘭やきとりを味わった。午後はDENZAI環境科学館で鳴り砂について特別講座を受けた後、イタンキ浜で実際に鳴り砂の感触を確かめた。
道内で観光ガイドを務める中国人のオウ・ケイコウさんは、室蘭には何度か来ているが、観光バスではアクセスできない測量山に初めて訪れた。「右には孤島のような工場群、正面は東日本最長の白鳥大橋、左は有珠山や昭和新山、後ろは対岸に渡島半島や駒ヶ岳が見える。こんなに景色が堪能できる場所は北海道のどこにもない」と語った。
他の参加者からは「中国では工場を見下ろすことがないので、観光客は喜ぶと思う」や「トレッキングの場所は、クマがいないので安心して勧められる」「春には雲海が見られる」など好意的な意見があった。
その半面、訪日客にとって室蘭市は「登別温泉と洞爺湖間の移動の際に、お金をかけずに景色だけを楽しむ時間調整の場としての認識が強く、滞在時間が短い」という課題も見えた。「室蘭のポテンシャルを生かした工夫や整備次第では、滞在時間の延長や一つの観光地として認識することが可能」との意見もあった。
実行委の吉田みゆきさんは「今回のツアーを通して改善点などを洗い出し、素晴らしい景観と観光素材を持つ室蘭が北海道の新たな観光地と認識され、国内外から観光客が訪れてもらえるようにしていきたい」と地域振興に力を込めている。
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