放水銃を扱う参加者たち＝有珠善光寺

　伊達消防署と伊達市教育委員会は２８日、市内有珠町の有珠善光寺（木立大忍住職）と梅本町の旧伊達邸庭園にある旧三戸部家、迎賓館で防火訓練と立ち入り検査を実施した。参加者が万一に備え、重要文化財を守る流れを確認した。

　有珠善光寺の訓練には、檀家などを含め約２０人が参加。本堂から出火したと想定。消防に連絡すると同時に、檀家らが手分けし仏具などの文化財を次々と外に運び出した。本堂横にある放水銃、水消火器による消火訓練も行った。

　署員は水消火器の取り扱いについて「火元が広がっている時は、ほうきではくように」とアドバイスした。木立大成副住職は「まずは火を出さないことが大切。訓練を通し、より一層気を引き締めたい」と話した。訓練後は署員が消防設備に不備がないことなどを確認した。

　訓練は、文化庁が定める１月２６日の「文化財防火デー」の一環。積雪地の伊達は毎年この時期に開催している。旧三戸部家と迎賓館は消防や市教委職員計４人が参加した。