全日本学生音楽コンクールのトロフィーを持ち、全国の舞台に向け意気込む高田君（提供）

　第７７回全日本学生音楽コンクール（毎日新聞社主催）道大会本選のピアノ部門小学校の部で、道教育大附属函館小５年の高田眞太郎君（１１）が２位に選ばれた。第３３回日本クラシック音楽コンクール（日本クラシック音楽協会主催）本選では、ピアノ部門で高田君と同小４年の杉山裕太郎君（１０）、遺愛女子高１年の藤井はんなさん（１５）、バイオリン部門で遺愛女子中２年の秋濱香里子さん（１３）が優秀賞を受賞した。４人は１２月の全国大会に向けて意欲的に練習に励んでいる。

　全日本学生音楽コンクールに初めて挑戦した高田君は、予選を経て、１０月２１日に札幌コンサートホールキタラ小ホールの道本選に出場。ピアノ部門小学校の部で出場者１３人のうち２位に入り、全国大会（１２月２日横浜）の出場権を手にした。

　シューベルトの課題曲を演奏した高田君は「初めてのホールで緊張したが、気持ちを込めて弾けた」と笑顔。同コンクールは、若手演奏家の発掘の場としても注目される権威ある大会で、指導にあたるピアニストの伊藤亜希子さんも「初出場で２位、しかも全国出場は快挙」と喜ぶ。

　一方、第３３回日本クラシック音楽コンクールで地区予選を通過したピアノ部門の高田君、杉山君、藤井さん、バイオリン部門の秋濱さんは、１０月の盛岡地区本選で優秀賞を受賞。１２月に東京で開かれる全国大会への出場を決めた。

　両コンクールでショパンの「ポロネーズ第１番」と「乙女の願い」（リスト編）を演奏する高田君は、曲調の異なる２曲について「気持ちが伝わるように弾きたい」と意気込む。

　全国規模のコンクール経験が豊富な藤井さんは「成長するにつれて本番の演奏を楽しめるようになってきた。課題である強弱の幅を表現したい」と、日々練習を重ねている。

　初めての全国大会となる杉山君は「東京に行けると思うだけでうれしい。もっと練習して（高田君と藤井さん）２人のようにうまくなりたい」と憧れの舞台を心待ちにしており、ピアノを指導する伊藤さんも３人の成長や頑張りに期待を寄せている。

　秋濱さんは、イタリア在住の講師から週５日、オンラインでバイオリンを習っており、同コンクール全国大会は３年連続の出場。大会前日には東京交響楽団のこども定期演奏会で「こども奏者」としてオーケストラとも共演する。初の入賞を目標に静かに闘志を燃やしており、「音程を完璧にして、楽しんで弾きたい」と話す。

　４人は、１２月１６日午後２時から市芸術ホールリハーサル室で開かれるピアノ教室「ドルチェ」の２０２３年受賞記念ジョイント・コンクールに出演する。一般にも無料で公開するが、席に限りがあるため、事前予約が必要。申し込みは伊藤さん（０９０・３７７４・１４４７）へ。