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函館新聞

市電用廃レール架線柱は米国製 松風町から10月に撤去【函館】

「OH TENNESSEE 6040」などと製造会社や規格などを示す文字が刻印された架線柱に使われていたレール

 函館駅前通(国道278号)で9~10月に行われた市電用架線の吊架(ちょうか)方式の変更工事に伴い、松風町の交差点から撤去した架線柱で使われていた廃レールが、米国で1927(昭和2)年に製造されたものとみられることが分かった。メーカー名を示す刻印があり、表面の状態から線路としては未使用の可能性が高い。同年から市に移管する43(同18)年までに架線柱として建てられたものと推定される。

 市企業局交通部によると、架線柱は地下に埋まっていた部分を含めて約10メートルのレールを3本組み合わせた形状。松風町電停付近交差点の旧森文化堂跡地側にあり、10月に撤去した。同種のレールを使った架線柱は新川町のはこだて自由市場前などに現存する。

 処分を前に記録を残すため、表面のさびを落とし、刻印の有無を調べたところ、レールには「OH TENNESSEE 6040 ASCE」などの文字があった。鉄鋼メーカー大手のUSスチールの関連会社だったテネシー社製の60ポンド(30キロ)レールであることなどを示している。別の場所には「1927」と4本の縦線の刻印があり「1927年4月」の製造を示すものだという。また車輪が接する部分の摩耗が少なく、同部は「厚さや減り具合から線路としては使用していないだろう」とする。

 同年に路面電車を運行していたのは13(大正2)年の開業時と同じ函館水電で、その後、帝国電力などを経て、軌道事業は43年11月に市に移管した。同部に建造時期を示す資料は残されていないが、市営化した年は戦時下で金属類回収令が出された年で、余剰レールを供出しなかった可能性は考えにくい。大火の多い函館は架線柱にも不燃材の使用が求められていた背景も考えられ、80年前の市営化前には既に架線柱として活用していたことが推測される。

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