江差の精神風土を伝える 郷土史家、館さんが自費出版、調査活動の集大成【函館】
函館市在住の郷土史家で、江差追分会理事の館和夫さん(86)が古里・江差の精神風土や道南で地域の発展について活躍した人物などをまとめた「道南の人・唄・風土 語りつぎたい在郷魂」(檜風舎)を自費出版した。25日午後1時から函館蔦屋書店2階ステージで出版記念講演会を開く。
館さんは厚沢部町出身で江差町育ち。宇都宮大農学部卒業後、道立林業試験場や道林務部で勤務。これまで「江差追分物語」(道新選書)、道林務部に勤務時代には「男爵薯(いも)の父 川田龍吉伝」(同)を出版。2020年には函館文化会が郷土史研究家を顕彰する神山茂賞を受賞。今回はこれまで調査した活動を集大成とした。
第一章「忘れ得ぬ先人たち」は川田男爵のほか、江差、厚沢部、七飯町大中山、八雲町熊石で活躍した計5人の歩みを深く解説。第二章「道南西在郷の精神風土」、第3章「追分節の人々」では、江差の下町物語や人物、江差弁、追分節の礎などを紹介。人物の行動やまちの様子が目に浮かぶように読みごたえがある。第七章「雑録」では、これまで寄稿したコラムなどでバラエティーに富んでいる。
館さんはあとがきで、「この地方に関心をもつすべての読者にとって幾分なりと共感し、賛同していただける部分があるとすれば、幸いにこれに過ぎるものはない。(中略)道南の過去・現在・未来を語るときの参考資料として活用されることを心から希いながらペンをおく」としている。
A5判、396ページ、2000円。25日の講演会は参加無料、事前申し込み不要。
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