標津高校が文部科学大臣賞受賞 生徒ら町の防災リーダー【標津】
【標津】標津高校(渡辺幹夫校長、生徒数70人)が今年度の文部科学大臣賞(学校安全表彰)を受賞した。全国18小中学校、高校などの受賞校のうち道内唯一の受賞。東日本大震災の被災地研修をはじめ、町など関係機関と連携して防災教育の充実に努め、生徒たちが防災リーダーとして町内の児童生徒や地域の防災意識を高める取り組みを行ってきた実績が評価された。
同校は2017年度から釧路管内の高校と交流し、生徒が災害時の避難所運営に必要な知識を学ぶ防災教材「HUG(避難所運営ゲーム)」(北海道版)に取り組み、19、20年度には内閣府「防災教育チャレンジプラン」の採択を受け、防災教育を推進。19年4月に生徒が指定避難所の同校校舎にどのような機能があり、何が必要かを町に発表したほか、20年3月から毎年、生徒会が東日本大震災で被災した東北3県(岩手、宮城、福島)で防災研修を行っている。同9月には雪解け時期(2月末~3月)の標津川増水に伴う避難指示を想定し、土地勘の乏しい外国人技能実習生やヒグマの足跡発見など地域事情も盛り込んだ「標津町オリジナルHUG」を完成させた。
今年度から全1年生が岩手、宮城で実地視察研修を行い、生徒会の防災研修とともに活動成果を「一日防災学校」で生徒や保護者、住民らに発表し地域の防災意識向上に尽力。地元のこども園、小中学校でクイズやHUGを使った防災出前授業を開き、高校生から子供たちに防災教育の輪をつなげる「地域循環型防災教育」を実践している。
全国学校保健・安全研究大会(10月26日、兵庫県)で表彰状の授与を受けた渡辺校長は「地域循環型の防災教育が生徒たちの頑張りで定着してきている」とし、「生徒たちには防災教育などを通じ、今後も生きる力や命の尊さを学んでほしい」と話す。生徒会の前会長として防災教育、活動の一翼を担った今村穂乃華さん(3年)は「力を入れてきた活動なので評価されたことは大変光栄。地域の防災力を高める活動を引き継いでくれる後輩たちの励みになる」と喜びを語る。
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