網走市栄誉賞を受賞した金澤さん（右）と、全国障害者スポーツ大会で活躍した大野さん

　【網走】今年３月にオーストリアで行われた国際障害者スポーツ連盟（ＶＩＲＴＵＳ）の世界スキー選手権大会に出場し、大回転とスーパー大回転で金メダルを獲得した日体大付属高等支援学校３年の金澤碧詩（あおし）さんにこのほど、網走市栄誉賞が贈られた。贈呈式には、10月の全国障害者スポーツ大会陸上競技で活躍した同校の大野瑞希さん（３年）も同席。水谷市長に結果を報告した。

　体を動かすことが好きで夏は陸上、冬はスキーと２種目をこなす金澤さんだが、あくまでメーンはスキー。市長室で水谷市長から栄誉賞の賞状と盾を受け取った金澤さんは、「世界一はすごいですね。次の目標は」と水谷市長に聞かれ「今までの自分を超えることです」と話し、さらなる高みを目指すと宣言した。

　栄養賞の賞状に書かれた「雲外蒼天（雲の外には青空が広がっている）」は、困難を努力して乗り越えた先には、明るい未来がある―という意味が込められている。

　この言葉を引き合いに「大きなハードルを超え、青い空が見られるように頑張って」と水谷市長がエールを送ると、金澤さんは「はい」と元気よく応えていた。

　大野さんは、全国障害者スポーツ大会「燃ゆる感動かごしま大会」に道代表で出場し、４００㍍４位、８００㍍２位の成績を収めた。

　高校から陸上競技を始めたという大野さんは「自分でもここまで出来るとは思っていなかった」とする一方「同じ学校で先輩だった人も出ていたので、よい刺激になって楽しかった」と、大会を振り返った。

　長距離が専門という大野さんは、将来の目標を聞かれ「卒業して網走を離れても、戻ってきて網走マラソンに出場したい」と話し、水谷市長を喜ばせた。「フルマラソンは経験がないので、これから練習して完走を目指したい」と、新たな目標を見据えている。

　金澤さんと大野さんは同級生。互いの印象について「大野君は、いつもはぼーっとしているけど、やるときはやるんだと思った」（金澤さん）、「金澤君は、普段はふざけているけど、やさしい一面もある」と、照れながら話していた。

　網走市栄誉賞は、市内在住、もしくは網走市出身者が国内、海外のスポーツや文化で活躍した人に贈るもの。１９９１年から始まり、従来は「栄誉をたたえて」の名称だったが、11年から現在の名称となった。

　栄誉賞と特別栄誉賞など、複数回受賞している人もおり、これまでに延べ16人が受賞。金澤さんは、ソチパラリンピックで２個の金メダルを獲得して受賞した14年の狩野晃さん以来、延べ17人目の受賞になる。