函館市の児童虐待464件
過去5年で3番目の多さ
函館市が2022年度に扱った児童虐待件数は前年度比40件増の464件となり、過去5年間で2020年度(497件)、19年度(481件)に次いで3番目に多かった。心理的虐待の面前DV(ドメスティック・バイオレンス、子どもの前での夫婦げんか)が増えたことなどが背景にある。市は、児童虐待が全国的に増えている現状を受け、相談体制の充実を図る考えだ。
市によると、464件の内訳は心理的虐待が246件、身体的虐待が126件、ネグレクト(育児放棄)が88件、性的虐待が4件。面前DVは、子どもの目前で、親がパートナー(配偶者や同居人など)に暴力を振るうことで、子どもの心に深い傷を残す恐れがあり、心理的虐待になる。
過去5年の件数は18年度が444件、19年度が481件、20年度が497件、21年度が424件、22年度が464件。22年度の件数のうち、専門的対応が必要として児童相談所へ送致したのは9件(うち一時保護5件)。市次世代育成課は「増減の繰り返しが認められるので増加要因を一概には言えないが、児童虐待の認知が積極的に行われるようになったこともあるのではないか」と分析する。
市が開設する、子どもや子育てに関するあらゆる相談に対応する「子どもなんでも相談110番」(0800・800・0879、無料)の対応件数は22年度、1063件となり、過去5年間で最多。児童虐待の疑いがあった場合に調査する。市は、22年度から子ども家庭総合支援拠点を市総合保健センター1階に設置し、拠点で子どもなんでも相談110番を受け付けている。相談体制は従来の職員9人から14人へ増員し、件数の増加に対応している。
同課は「全国的に児童虐待による重篤な事案が発生しており、市内でも同じことが起きないよう関係機関と連携を強化し、虐待の予防や早期発見に努める」としている。
市は7日に市総合保健センターで開いた今年度の市要保護児童対策地域協議会の代表者会議で報告した。
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