紙芝居と漫才で学ぶ むかわで津波防災フェス
「世界津波の日」の5日、楽しく防災知識を学ぶ「津波防災フェス2023inむかわ」がむかわ町の道の駅「四季の館」で初めて開かれた。北海道南西沖地震(1993年7月)で被災し語り部となった三浦浩さん(45)=空知管内栗山町=が紙芝居を、道内出身のお笑いコンビ「アップダウン」が漫才を披露。町内外から来場した約120人が津波の恐ろしさや備えることの大切さなどを学んだ。
道内の電気事業者や福祉事業者、建設業でつくる防災連携計画事業協同組合(札幌市)が正しい防災を楽しく身に付けてもらおうと企画した。
三浦さんは高校生の時に地震と津波を経験した。地震直後に祖父母を連れてパンツ一枚で逃げたエピソードや津波の被害で変わり果てた街並みを見て、「自分だけが生き残ってよかったのか」と葛藤したことを紙芝居を用いて紹介。発災を受けてとっさに避難できたのは「普段から祖父に言われていた『地震が起きたらすぐに高台に逃げなさい』という言葉が頭にあったから」と言い、「命や暮らし、子どもたちを守っていきたいと、全国を回って経験を伝えている」と力強く語った。
アップダウンは漫才を交えながら、地震の10回に1回は日本で起きていることや津波が30センチまで来たら動けなくなることを説き、「津波が来たら逃げられないから、来る前に逃げてほしい。決して見に行こうとしないで」と訴えた。また「これまでの経験から『大丈夫』という前例に捉われないで。地震が起きたら、津波が来ると思って」と呼び掛けた。
熱心に耳を傾けた姉崎直弥さん(20)=千歳市=は「(紙芝居や漫才の内容が)面白かったし、対策などの伝え方も分かりやすかった」と感想を話す。父の憲人さん(57)も「頭に入りやすかった。漠然と暮らすのではなく、避難所の確認や防災品の備蓄などを今後しっかり考えなければ」と気持ちを改めていた。
このほか、元客室乗務員の伊藤朝子さんによる防災スカーフ講座や奥尻復興ソングを歌う札幌市出身のCarinさんのライブ、男子プロバスケットボールチーム「レバンガ北海道」の専属ダンスチームのパシスタ・スピリッツのパフォーマンスもあり、イベントを盛り上げた。
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