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西日本の主力米ヒノヒカリ出穂 道内初 夏の高温影響か【北斗】

初めて出穂し実がきれいに詰まったヒノヒカリを見る丸田さん

 【北斗】道総研道南農試(北斗市本町、藤田眞美子場長)は、試験圃(ほ)で展示栽培している西日本の水稲主力品種「ヒノヒカリ」が、初めて出穂(しゅっすい)したことを明らかにした。道内では通常、出穂しないとされており、今夏の記録的な高温で好条件が重なったためとみられる。同農試は道産米への品質面での影響も懸念しており、状況を注視する考え。

 ヒノヒカリは九州などの暖地に適した品種で、米穀安定供給確保支援機構(東京)によると、2021年産うるち米の作付面積は「コシヒカリ」「ひとめぼれ」に続く全国3位。大阪、奈良、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島の7府県で作付けトップとなり、西日本を代表するコメとして知られる。宮崎県が育成した。

 同農試は18年からヒノヒカリを栽培しており、現在は30株が植わっている。今年は4月21日に播種(はしゅ)を行い、5月19日に苗を移植、9月4日に出穂期(茎のうち半分で穂が出た状態)を確認した。丸田泰史研究主任(33)は「普通は出ない穂が出ており、驚いた」と話す。

 丸田さんによると、ヒノヒカリが道内で出穂しない要因は①積算温度が足りない②日が短くなる時期が遅い―ことが挙げられる。例年だと葉が出た状態で穂が出ず、秋の霜に当たって枯れてしまうケースが多い。

 試験圃のある北斗での今年8月の平均気温は26・0度で、平年より4・5度も高かった。一日の最高気温も8月24日に観測史上最も高い34・5度を記録するなど、異例の暑さが続いた。丸田さんは「8月の記録的な高温で出穂したと思われる」とみる。

 ヒノヒカリは出穂後、きれいに実が詰まっており、こうべを垂れ、今月23日の週に収穫する。

 一方で、暑さは「ふっくりんこ」「ななつぼし」「ゆめぴりか」など道産米への影響も懸念される。試験圃では、ふっくりんことななつぼし両方で成熟期が平年より17日も早く、過去断トツの早さだった。暑さは食味に影響はないが、コメ粒が白く濁るなどして見た目の品質が下がる被害が報告されている。

 丸田さんは「既存の道産米に影響を与えた可能性もあり、今後も動向を注視したい」としている。

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