認証を受けた浦河緑苑の西田施設長

　「働きやすい介護の職場に」。医療法人讃生会（札幌市中央区宮の森３条）は９月29日、道から「北海道働きやすい介護の職場認証制度」の認証を受けた。同会が運営する浦河町東栄５７１の介護老人保健施設浦河緑苑（西田聖施設長）のほか町内関係施設の計３施設は、職員の質の向上や利用者の処遇改善に取り組んだ。認証は管内では初めて。

　同制度は、道が働きやすい職場づくりに積極的に取り組む介護サービス事業所を認証することで、より働きやすい環境の整備や介護人材の確保、離職防止、定着促進を推進し、介護業界全体のレベルアップとボトムアップを図る目的で令和４年７月から制定。介護事業における職員の人材確保や就労環境などの改善につながる取り組みについて、基準を満たした介護事業所に対し、「認証」を付与するもの。

　認証基準は①健全な組織運営②新規採用者の育成・定着促進③職員のキャリア形成支援と公正な処遇の実現。

　浦河緑苑は現在、看護やリハビリ、介護職員ら76人の職員が在籍しているが、まだまだ人手が不足しており、職安や紹介会社を通しても人材確保に至らないことなどから、同認証を受けるために必要な職場環境改善に取り組んだ。特に③に力を入れ、各カテゴリーの主任以上の役職者によるオンラインセミナーの参加や、独自の自己評価表の作成、面談シートを作成。全職員が面談を受けて、上司と共通の目標を持ち、キャリアップにつなげるための昇格要件などを明確に示したものを文章化し共有を図った。

　セミナーに参加した生活支援部通所リハビリテーション課の前崎一成課長は「セミナーでは講義を聞くだけではなく、こういう場面ではどうするか考えて発言する場もあり、今まで見えていなかったことに気付けたなど有意義なものになった」と話した。

　浦河緑苑の西田施設長は認証を受けて「今後も職場の雰囲気を良くして、みんなで効率の良い仕事をしていきたい」と話し、事務部の鈴木淳一部長は「制度の認証をＰＲしながら、就業場所として目を向けてもらえたら」と期待した。

　認証期間は令和５年９月29日～８年９月28日までの３年間。