道南ワインアカデミー開講 北斗の圃場2カ所見学【北斗】
【北斗】渡島総合振興局は13日、今年度の道南ワインアカデミーとしてワイン関連事業者現地研修会を開いた。参加者が醸造用ブドウを栽培する市内2カ所の圃場(ほじょう)を見学し、担当者から今夏の記録的な高温の影響を踏まえた生育状況などに関し説明を受けた。
道南のワイン産業の活性化を図ろうと2019年度から開講。渡島、檜山管内でワイン醸造、ブドウ栽培に取り組む事業者や函館、北斗、木古内の自治体職員など約30人が参加した。
渡島農業改良普及センターの小坂善仁主査は今春以降の気温状況に触れ「6月から夜間でも気温が下がらない日が続いた。近年の平均気温は30年前の弘前と同等で温暖化が進んでおり、品種の見直しが必要」とした。また、降水量に関し「今年はまとまった雨が少なかったが、湿度が高く、葉が湿っている時間が長くなり、病害も増えている」と説明した。
市文月でワイナリーを建設中のドゥエ・プンティ(井坂真介代表)では2ヘクタールの圃場でシャルドネやピノ・ブランなど7品種約5500本を栽培。ワイナリーは10月の稼働を目指しており、今年の仕込みから醸造を行う。井坂代表は今年の生育に関し「積算温度は過去5年で最も高かった。8月中旬からヒヨドリが実のついた房を狙うようになり、食害対策として保護ネットを設置している」とした。また「高温の影響でブドウの酸味が落ちてくるのが早い。今年は早めに糖度と酸度を分析し、収穫に備えたい」とした。
このほか、サッポロビール(東京)のワイン用圃場である市三ツ石のグランポレール北海道北斗ヴィンヤードも見学した。八雲町地域おこし協力隊として町内で醸造用ブドウ栽培に取り組む茂木琢磨さん(32)は「他地域の現場を見ることができて良かった。八雲も冷涼な地域だったが、積算温度、日照時間も増えており、品種選定は考えていかなければならない」と話していた。
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