シカ革でアパレルショップ 阿寒湖温泉にオープン【釧路市】
廃棄されるエゾシカの皮を使ったエゾシカレザーショップ「AKANLEATHER」が9日、釧路市阿寒町阿寒湖温泉4にオープンした。運営するのは音楽イベントや地方創生事業などに取り組む「オワゾブルー」(札幌市、山内明光社長)で、商品の提供などを通じ、同温泉街の観光振興を目指す。
エゾシカによる森林被害、交通事故など多くの課題がある中、頭数制限のため狩猟されるエゾシカの皮の多くは産業廃棄物として廃棄されている。同社は狩猟後の有効活用として今年2月、エゾシカ6次産業化の推進策として、エゾシカを使った化粧品や革製品などを開発、販売する「YUKFACTORY」(ユク・ファクトリー、札幌、同社長)と共同でアパレルブランド「AKANLEATHER(阿寒レザー)」を立ち上げた。
山内社長(60)は、夜の体験型アトラクション「カムイルミナ」のプロモーション製作でNPO法人阿寒観光協会まちづくり推進機構と関わり、同温泉街のホテルへ運営スタッフを派遣するなどの経緯があり、同ブランドの実店舗1号店は同温泉街と決めた。
同温泉街の住宅付き店舗を新築し、1階の店舗面積は約88平方㍍。2階は従業員の住宅で約112平方㍍。エゾシカ革を使った商品はライダースジャケットを中心に3点。レザーバッグや小物、アクセサリーも販売。主力商品のALKレザージャケットは阿寒地区のエゾシカ革を使用し、山本寛斎事務所(東京)がデザイン、プロデュースしている。エゾシカ革は油分が豊富なため柔らかくしっとりしているが、引っ張ると強度もあるのが特長という。
また、飲食ブースも併設しており、昼はランチ、夜はバーとして営業している。山口社長は「今後は地元のアイヌ作家とも商品を考えたい」とし、「アパレルを通し阿寒湖温泉地区の魅力を発信していきたい」と話している。営業時間は午前9時~午後8時。飲食ブースはランチが午前11~午後2時。バーは同8時~午前0時。火曜定休。問い合わせは0154(64)1710へ。
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