大野農ラグビー部・小山内が夏の菅平キャンプで成長 部員2人でも地道に練習【函館】
体格や身体能力に優れている有能な高校生世代ラガーマンを確実に優秀なタレントへ育成する第2回TIDユースキャンプ「ビッグマン&ファストマンキャンプ(B&Fキャンプ)」(7月30日~8月1日、長野県上田市菅平高原)に、大野農のプロップ、小山内快夢(2年)が選ばれて参加した。小山内は「フォワードとしてスクラムやセットプレーを学んだ。今後の試合に生かしたい」と意気込んでいる。
TID(Talent Identification)は人材発掘・育成の意味で、日本ラグビーフットボール協会が幅広い発掘を図ることを目的に2018年から実施。小山内は身長175センチ、体重117キロ、安定した下半身の筋力を誇る。
中学まではサッカーのフォワードで、高校に入り、木津谷富紀監督に誘われてラグビーを始めたが、練習環境には決して恵まれていなかった。入学時は3年生がいたが、昨秋から男子の正部員はフォワードで今年のコベルコカップ全国高校合同チーム大会(7月、菅平高原)の北海道地区代表となった笹木皇央(2年)と二人だけとなり、合同チームとして出場する試合に向け、木津谷監督らと地道に練習してきた。
冬は筋力トレーニングに励んだ。特にインターハイに出場した相撲部で指導を受け、四股100回などこなした。「きつかったが、体を動かすスピードが速く、前に出る力が強くなった」と下半身強化を実感し、春を迎えた。
6月に芦別市で行われた北海道ブロックU17トライアウトに参加し、その身体能力を存分に発揮。B&Fキャンプ参加候補者となり、全国で140人の候補者から、タレント発掘の専門家らによって選ばれ、夏ラグビーの聖地、菅平高原へ向かった。
44人が参加したキャンプは、大阪桐蔭など強豪校からも集まる。小山内は「自分は体格の良さで選ばれた」と考えていたが、同じプロップに身長2メートル、体重165キロの1年生など大きい選手ばかりで驚いたという。それでも「自分の良いところは声とコミュニケーション能力。周りを見ることができること」と胸を張り、どん欲に学んだ。タックルは低く当たるための角度、スクラムでの足の使い方、ボールを持った時のステップなどを吸収し、自身をアップデートさせた。
キャンプ後は“花園”出場を目指す函館支部大会(8月、根崎)で函館合同(大野農、函工、南茅部、市函)として出場。ボールを持ち、角度を変えながら力強く前進する姿勢はキャンプの成果が現れた。決勝でラ・サールに敗れたが2位として南北海道大会に出場し、1回戦(22日)は札幌山の手に向かう。「支部大会で緊張した点があり、メンタル面を強化したい」と話す。
また、キャンプ中にコーチから受けた「日本代表として振る舞う」の言葉が印象に残り、大学でのプレーを目指す気持ちが強くなったという。「チームに貢献し自分を高め、将来も続けるために大学でもプレーしたい」と夢を膨らませた。
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