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函館新聞

夢かなえる初の書展 中川蘆月さん「多彩な表現楽しんで」【函館】

墨書や近代詩文書などで初の個展を開いた中川さん

 函館白百合学園中学高校の非常勤教諭で、創玄書道会二科審査会員、道展審査会員、天彗社評議員として活躍する中川蘆月(ろげつ)さん(本名・斉、62)の個展「中川蘆月書の世界展」が6日、函館市芸術ホールギャラリーで始まった。学生時代から夢に抱いていた初個展で、墨書、近代詩文を中心に79点を紹介。中川さんは「書の表現の多さを楽しんでもらい、成長したことを見てほしい」と話している。11日まで。

 後志管内共和町出身。岩内高時代に書を始め、続けたいと思い1981年に新潟大教育学部書道科に進んだ。学生時代の帰省時、車窓から春を迎えようとする雪景色の羊蹄山を言葉に表し、近代詩文を始めた。2年次に新潟県展で初入選。新潟市内で美術の個展を見た時、いつか必ず今タイトルの個展を開く夢が生まれたという。

 3年次に母を介して日本を代表する書家、中野北溟(ほくめい)氏に師事。85年から教員として書の楽しさを伝えながら、日展入選、創玄展準大賞などを受賞。個展は「やるからには大規模で」と決めていたが、2年前、今年7月に100歳を迎える中野氏のお祝いと作品を見てもらうことが恩返しになると考え、開催を決断し、夢をかなえることに。これまでの集大成でもあるため、副題を「生きた証を残したい 師 中野北溟先生100歳のお祝いと感謝の意を込めて」とし、東京(7月)、札幌(8月)に続き函館で開催する。

 今展のために未発表としてきた作品が6割あり、同じ表現が重ならないことや、並べることで表現の面白さを対比できることを考えて展示した。多彩な書風は高校時代から多くの美術や書の作品展に足を運び自身の感性を養ったたまもの。全体のイメージが整ってからしたためるといい「流れるようにリズムと呼吸を合わせることが大切。鍛錬が大切」と話す。すべての作品は濃淡や空間のバランスが絶妙で、線に躍動感があふれている。

 「中野先生のように他の人と違う新しい表現、線質の魅力を追及してきた」と話す。墨書は、にじみ具合を計算して墨を使い、筆の置き方を工夫する。近代詩文は力強く濃い線でインパクトを与えたり、墨書を交えて言葉のイメージが膨らむような印象を与えたりしている。

 他会場では個展とは思えないバラエティーの多さに驚いた来場者もいたほか、札幌会場では中野氏が来場し「よくやった、大したもんだな」とほめられたという。「自分の表現を認めてもらい書をやってきてよかった」と笑顔を見せ「多くの人の心が楽しく動いてくれれば」と来場を呼び掛ける。

 午前10時~午後6時半(最終日は同5時まで)、期間中は中川さんが在廊する。

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