業務用の大型扇風機が置かれている教室（福島小学校）

　【福島】厳しい暑さが続く中、町内の小中学校３校ではコンブ漁師らから借りた業務用の大型扇風機を教室内に配置し、暑さをしのいでいる。

　８月２４日に２学期がスタートしたが、エアコンが完備されていない教室内はうだるような暑さで、窓を開けたり、授業中に水分補給を許可したりするなど熱中症対策を講じたが暑さは解消されず、子どもたちの体調が心配されていた。

　この状況の中、２９日に福島小の児童の保護者が仕事で使う業務用扇風機２台を学校に貸し出したほか、町教委も３１日に今夏の漁期を終えたコンブ漁師に協力を求め、コンブの乾燥に補助的に使う業務用扇風機を借りて同校に配置。４日現在、９人から計２７台を借り、福島、吉岡両小学校と福島中学校の各クラスに１、２台を配置している。

　業務用扇風機は風力が強く教室全体に風が届き、子どもたちからも好評。福島小５年の大野莉奈さん（１０）は「おかげで涼しくなり、授業に集中できる」と喜び、岡室伊知郎校長は「涼しい風に地域の温かみを感じた」と感謝した。

　仲間に声を掛けて扇風機の確保に尽力したコンブ漁師の対馬大輔さん（４１）は「息子から暑くて大変と聞き、何とかしたいと思った。暑さが和らいだ中でしっかり勉強してくれたらうれしい」と話した。